─ 第三階層 エレベーターホール ─
[煙草の匂いは少しけむいが、こっちに煙が来なければ嫌がる事はしない。
噛み砕かれた説明は、至極分りやすくふんふんと頷いていた。]
本物が消えていなくなる、って。
大変じゃん!!!じゃあ早くやっつけないと!
[ようやく事の重大さの一旦に触れて、めいっぱい驚いて、その時だけ少しじたっと暴れた。
とはいえどうすりゃいいのか、という思考にはまだ至っていない。
とにかく早くしなきゃ、という意識だけはそこに植え付けられた。
エレベーターの中には猫よろしくぽいっと入れられて、ついでに口頭注意されると、不承不承はぁいと返事した。
大人しく上の階へと言われた通りにするつもりではいた。一応。]
おっちゃんも頑張れよ!またなー。
[お別れの時には元気よくそう言う。なおスティーヴが乗っ取られている云々は、考えてもいなかった。
手を振りながら、扉は閉まっていった。]