これは、僕の『仕事』じゃ、ない、のに。
[何故引き受けられたのだろう。
どうして届けることができたのだろう。
こんなことは今まで無かった、こうなるなんて考えたことも無かった。
呪をかけられた為だとは未だ夢にも思わぬまま、いくつも浮かぶ疑問が重しとなって、身動きが取れなくなった。
とはいえ、己の範疇から外れた仕事をした自分を誰も咎めにこないのはおかしい話だとも思う。
もしかしたら、今まで無かっただけでこれも自分の仕事の範疇なのだろうか。
浮かんだ思いは自身の存在意義を守るには適した推測であれ、眼前の光景を見るには受け入れがたく]
……ユーリさんに、確かめよう。
[本来、郵便屋が依頼人に預かり物について問うことなど有り得ない。
それは郵便屋としてあるまじきことだと、そう思ってきた。
だが、今はどうしても届け物の真意を聞きたくて仕方ないのだ、と。
動けなくなっていたその足で、ようやく一歩を踏み出した**]