─ 第三階層 エレベーターホール ─
[煙草の先から漂う紫煙はゆらり上へと上って行く。
下にいる子供にかかるとすれば、自分が吐き出す煙くらいか]
だから今厳戒態勢になってんだよ。
下手にうろつくと疑いかけられて他の連中に追われるぞ。
[事の重大さを知って声を上げる子供>>220に、一つ脅すように言葉を紡ぎ。
頑張れという言葉には頷くこと等しないままにエレベーターの扉が閉まった。
エレベーターが移動するのを確認した後、右手に掴まれたカードへと視線を落とす]
……鉱物学者だったはずだな、この持ち主は。
研究者であればカードを落としたままにすると言うことは考えにくいが──。
[脳裏に浮かぶ可能性に、きつく眉根を寄せるのだった]