[同僚に吊り上げられた二人が死ぬか。サイキッカーたる同僚が死ぬか。その局面をじっと見つめていた翠と表情に笑みは無い][───詰まらない][胸中にはそんな言葉が浮かんでいた。同僚のあの様子では、仮に吊り上げた二人を殺しても、主を殺すことは無いだろう。全ての死を望んでいた自分にとって、一番望みに近いのは、一人となったサイキッカーが他の者を殺してしまうこと。けれどどちらに転んでも主は生き残ることだろう。それが理解出来たから、眼下の光景を冷めた目で見詰めていた]