─ 黒珊瑚亭・食堂 ─[しっかりと頷かれ>>214、こどもはきょとり、と一つ瞬く。目元伝う指先には、ふに、と小さな声が上がり]……それは……わかんない、けど。[野荊《レースヒェン》は娘自身を示すものでもある。それと気づけるならば、蔓延る蔦が、娘自身の罪悪感と絶望感によって織り成されている事にも気づけるか]…………。[迎えるように開かれる腕と、脚に絡む荊と。見比べたこどもは、そ、と一歩、踏み出す。ずるり、と音を立てて蔦が揺れる。柔らかい棘が阻むように突き刺さり、こどもの表情が歪んだ]