[ふ、と過ぎるのは幼い頃を過ごした孤児院で聞かされたおとぎ話。
それを振り払うように軽く頭を振る仕種は、傍目どう見えたか。
問われたとしても、なんでもー、と軽い調子で誤魔化して。
問いに答える事で話題をすり替える]
先に来てた二人?
んー、ゆっくり話せる状態じゃなかったから、名前も聞いてなかったんだよねぇ。
俺も名乗ってないけど。
ただ、まぁ……。
[言いながら、思い返すのはエントランスでの二人の様子]
なーんとなく、ワケありさんっぽい気はしたけどね、どっちも。
[ワケあり、という意味では自分も変わらないが、そんな事はおくびにも出さずにさらりと言ってのけた]