[ともあれ、ため息をついていても仕方がない、と長の元を訪れ、事情を説明する。自覚が足りないのなんのとの小言を小一時間はもらったろうか。さすがに、今回ばかりは軽薄面で受け流しはしなかったが]……とにかく、早急に手を打たんとまずい、じじ様。来るべき『解放』には、両方の筆が必要になる。このまま戻らんと、えらい事になる。……それに……。[不意に言葉を途切れさせ、出された香草茶のカップに視線を落とす。来てすぐ出してもらったそれは、小言の間に冷めていた]