…………和むのか、それ?
[桜の元に向かう道程。神楽の言葉に目を細めて訊ねる。
想像してみたが、シュール以外の何者でもなく。正直引いた。]
まあ、この呼び名は俺の知り合いが勝手に付けた名前だろうがな。
俺も詳細は知らない。切っ掛けと結果だけが調べて解って、過程はついぞ予想も付いてないんだが。
綾野? ……ああ、あの桜の前にいた女か。
何か知ってるといいってお前あれと知り合いなのか。
……知り合いは選んだ方がいいと思うぞ。
[お前が言うなという話である。そうこうしている内に中央公園にやってきたのだが、]
……何だよ。あれ。
[少し離れたところからでも見える桜の大樹。それは満開の花を咲かせていた。]