[視線を落とす様子に、長はどうした、と訝るように声をかけてくる。
それに対する答えに先んじるのは、小さなため息]
……持ち出された方の筆。
次に『絵』を描くための『力』が残ってる方だった。
正しい用い方を知らなくても、あれで肖像画を描けば、その者の『心』を封じる事ができる……。
その者が、生きていたとしても。
生きながら、『心』の力を奪えるんだ。
[掠れた声の説明に、長は目を見開き。
続けて投げられるのは、そうなったら、その者はどうなるのか、という問い]
……過去に実際にあったかどうかは、ちょっと思い出しきれてないんだが。
普通に考えても、いい状態じゃないと思う……ぜ。