[いる、と。後ろの方から、小さく聞こえてきた男>>222の声。
それがニキータのものであるとは咄嗟には気づけず、
けれど振り向けば、長い前髪のその人が居ることが判った。]
あぁ、居た。君は、
[ただ、少しだけ、あのニキータと違って見えたのは
その佇まいに薄らと見覚えがあったため。
今朝イヴァンの許を尋ねようとした時から既に、
もしかしたら彼が、とは思っていた。>>3:46]
―――…君は。こうしてみると、やっぱり。
あの月や湖の中に居る姿が、似合うかな、って。
[己が遠くから湖を描いていたことを、ニキータが知っているとは
特に思わずに、半ば唐突に零した言葉。
描きながらも誰なのか気付けなかった人のことを思いながら、
傍に居るイヴァンの方にも、一度視線を向けた。]