[>>225ヘルムートの頷きと、言葉に目を伏せる。]
……本当は、黙っていようと思ったんだ。
私も、アーベルも。
殺される可能性は高くなるだろうと思って。
[それは、人の手だけではなく。]
私は、生きたい。
アーベルと一緒に、生きていたい。
でも、だから。
黙ったままではいけないと思ったんだ。
ただ闇雲に誰かを選ぶより、手段が一つでも見えた方が良いと思った。
無辜に死ぬ者が、一人でも少なく済むように。
私がそうだと、信じてくれなくて良い。
ただ、判断の一つに加えてくれるだけでもいいんだ。
[淡々とした口調だが、声は掠れ震えていた。]