―市街地跡・スラム―
[荒廃した市街地、廃墟になったビルやテントに住む人たちでスラムとなっているそこを、
歩く二つのその場に似つかわしくない姿]
つまり、こうやって雨風がしのげて何かしらの資源が見込める場所というのは自然と人が集まるんだ。
『マスター、それはわかりますが奇異の目で見られております』
それは仕方が無いね、ここではボクたちはとても異質なのだから。
『わかっているのならここは避けるべきではないかと』
せっかくの機会なのだから見聞を広めるは悪いことではない、それに…
『マスター……』
うん、客人のようだ。
こんにちは、レディー…でいいのかな?
[さして動じた様子の無い少年と、その隣には微かな感情の起伏を微細な表情や仕草のみに現れるだけの女性。
少年をマスターと呼ぶその女性を仕草で下がらせながら目の前の姿に声をかける]