─談話室─
[最初は静かだったのに、次第に棘が混じり始め。
最後には跳ね上がるように空間を裂いた声>>226。
比較的静かな音に包まれる場に走った声に思わず肩が跳ねたのは、驚いただけでは、無く]
(……何、だ?)
[どくり、酷く強い脈が自身の内から響いた、気がした。
発したのは左胸ではなく、熱を持つ背]
[その疑問も、近くで発された言葉>>229に打ち消された]
……よく、わかってるよ。
[長年通っているとは云え、自分はあくまで余所者。
それでも、老尼僧には世話になり、感謝だってしている。
自身にも殺す理由はない。けれど、口には出せないまま]
[それは何人目となるのだろう。立ち上がり、そのまま談話室の扉を押し開いた]