─回想 住宅街・アヤメの家─
[出てきたアヤメから謝罪されれば、軽く頭を横に振り。
一緒に行こうか、との提案は心遣いが嬉しかった、が。]
…できれば、一人で行きたいんです。
もしも遅れて、疑われるようなことになったら…
私は自業自得だから良いけど、アヤメさんまで巻き込むことになってしまうもの。
…大丈夫、もう…危険は、ないでしょう?
だって、することは…決まっているんだもの。
[だから、と眉を寄せながら微笑んで。
あの放送で名を聞いたのは、皆知っている人だった。
マイルズの家の執事とその同僚はほとんど初対面ではあったが、無差別に殺しにくるような人間ではないだろうと、そう信じていたから。
それに。この後のことを思えば、一人で動いて命を落とすことになっても構わないかとも、思ったのも事実で。]