じゃ1階にしよ。お風呂も台所も近いし。
[二階に上がる苦労は要らないだろうと、開いている部屋に荷を置いた。ゼルギウスが選んだ部屋の体面と、その隣。客室番号でもあればCとかDとか呼ばれるだろうあたりだ。主人は自然、入り口からは奥側にする。]
あらそうなんだ。
じゃ後でお礼言っとかないと。
[荷物置く間、ミハエルにパンケーキを食べさせてもらったと言われて、壮年だった男の顔を思い出す。向こうはあんまり覚えていないようだが、こちらはしっかり覚えていた。
懐かしい味に、ふうんと相槌打ちながら。]
案外、同じ人に作り方教わったとかかもねー。
[さらりと言った言葉は、正解に近い所だろうか。]