―― 広場 ――[先ほどより人の増えた其処には先ほどは無かった料理の匂いが漂っていた。口には出来ぬがその匂いは食欲を刺激する]へぇ、美味そうだ。[キリルの傍にある鍋へと視線を向けた。挙動不審にも見える幼馴染の姿には思わず口許に手を宛がい俯いて肩のみを震わす。それも少しの間で、次に顔を上げたときにはいつも通り。ミハイルの方へと向き直り]赤と白、どっちの気分かな?[好きな方を彼に取らせる心算で脇に抱えた二つの瓶を目で示した]