[ずっと、ずっと子供の頃。
周りに同世代の男子が少なかったせいもあって、近くに住んでいた4つ上の少年とよく遊んでいた。
自分が一人っ子だったからか、兄のように慕って、懐いて。
だから、彼が村を出た時は、とてもがっかりして寂しがったものだった。
再会は11年前、自分が町に出る少し前の事で。
「兄」と慕っていた人が「姉」になって帰ってきたのは流石に戸惑った、けれど
外見や言葉遣いは違えど、内面は変わっていなかったことに喜んで。
そうして、今でも細々とではあるけれど交流が続いていた]
そう言えば、そんな時期だっけ……また喧嘩したんだろうな、おじさんと。
[あの時の騒動はよく覚えていたからそう呟いて。
やがて、聞こえてきた演奏に、ふわり、笑う。
演奏に合わせるかに紡がれる歌声>>234にも、少し意外に思いながらも笑うまま。
暫し、その音に耳を傾けて**]