―談話室―
[イレーネがエーリッヒを呼ぶのに先程のマテウスの行動にも合点が行って、ああなるほど、と内心に零す。
出して貰ったカップに口を付け、内から広がる熱に息を吐き]
……どうかなあ。
あの本は読み切れるだろうけど、次が微妙かも。
迎えに来たら帰るしかないしねえ。
[この村に一人で留まるようにはなったけれど、行き来には変わらぬ母親の姿がある。
一切の手助け無しに長距離を移動させては貰えず、故にその日を自分では決められなくて、結果が読みかけの本。
最後の一冊を読み切れた年はどれだけあっただろう]
怪我、しちゃったのか。でも治って良かった。
渡りの子ならこの村の冬は応えそうだから、気を付けないとだね。
[一瞬、自身に重ねかけて表情が曇る。
すぐに取り直し笑みを浮かべれば、端からは怪我を心配しただけに映るだろうか。
暢気な小鳥の様子>>241に少し笑い、少し近付いてみようかと]