─ 黒珊瑚亭 二階 五号室 ─
ま、アーベルが見当たらなかったら探しに行くかな。
[友の言う普通と自分の中の普通がズレていたから
頷かずに別の言葉をアーベル>>226に向けた。
ゆらりゆらりと心地よさげに揺れる尻尾]
分かった。
もう、言わない。
[謝ってもきっと足りない気持ちは消えない。
けれど彼が十分というならゆるやかに頷く。
撫でた手が離れゆくのを名残り惜しげに朱金の眸が追った。
視線が交わる前に、顔を前に向けて感情は誤魔化して]
……同じをアーベルはどう思ってるかわからないけど
俺は、祖父さまと同じなアーベルが少し羨ましい。
[複雑な思いもあるだろうから、控えめな声をそれを紡ぐ]