……ちっ、話には聞いていたがマジで咲くなんてな。
ということは……『桜の少女』もいるってわけか。
[そう呟くと、(礼斗たちがいるのとは別の)入り口から公園の中へ入り、中央広場・桜の大樹の下へ。
そこには桜を見上げる綾野の姿。それに駆け寄り、襟を掴んでこちらを向かせる。]
おい、あんた。これはどういうことだ?
季節外れの桜。不可視の壁。それと……
[そこで言葉を切ると、ちらりと視線を上─見事に咲き誇る桜花─に向け、]
……桜の少女。今は見えねーが、いるんだろ?
とりあえず知ってること、教えてもらおうか。
[そうして語られるのは、桜花が言い残した言葉と礼斗が聞き出した内容。]
……桜の童女『桜花』に、『司』と『憑魔』、ねぇ。
なるほど、合点がついた。それが行方不明の真相か。