―回想―
[物心ついたときは。母と二人だった。別に不思議に思ったことではない。周囲には父母どちらもそろった家族がいるが、別に父がいないことが己の責任でも母の責任でもない。と子供ながらにわかっていたからだ。
ただ嫌なことといえば、色んなところにいく上で、いつもなんで父親がいないのか。と尋ねられることだ。めんどくさい
だからかもしれないが、母の教えについて意識をさく容量が多かっただろう。例えば――]
「ゼル。ほら、これを食べてみなさい」
うん……っっ!?
[味はまずくはないが、直後に痺れるような痛みと眩暈を感じて倒れこもうとなったところで、母に無理矢理水を飲まされて…吐き出させる。すると少し楽になって]
「いい?毒キノコ食べたときはこうすると症状が和らぐからね。」
毒キノコって。あんた息子になに食わしてんのっ!!
「だって言ったらあなた食べないでしょ。勉強になったわね。あ、あとね。疑うこと覚えなさい」
[――とまあこんな感じの教えである]