……勘違い、するな。覚悟はとうに出来ている。それで、貴方を責めたいわけではない。ただ。何故、あの十人なんだ。[母から遺された其れを、受け取ったあの時。母が死んだ理由はすぐに察した。自分自身に流れる血は母と同じ、いつか母と同じ死に方をするかもしれないと。それが怖かった。一人が怖かった。誰も頼れなかった、唯一人以外。その唯一人が、あの十人の中にいる。それは、自分が殺されるかもしれないよりも怖いことで。そんなことを問うても、仕方ないのだけれど。]