――…ああ。
[ふと思いついたように制服の上着を脱ぎ
白いシーツにじわりと染みた赤を隠すように
響の身体へと掛けるのは白に染みる赤よりも
青に染みる赤の方が目立たないだろうと思ったから]
少し寒いけど、ま、これでいいか。
[す、と立ち上がると宿直室にある洗面台の蛇口を捻り
手についた親友の血を冷たい水で丁寧に洗い流す。
春の調子も良く無さそうに見えるから教室へ向かうのは諦めた]
春、その荷物、ボクが持つよ。
それから、教室にいくのはなしで。
パソコン室に、戻ろう。
[春の傍に寄れば抱えられた毛布を寄越せとばかりに差し出す両手]
あんまり無理するなよ、春。