人狼物語 ─幻夢─

42 水面に映る月の翳


流民 ゼルギウス

[そして八歳の頃。父との別れは唐突だった。それは己の筏を作って三日後のこと。目覚めたら自分の筏が水に流されていて、今では周囲には何も見えなかったからだ。父や母から聞いていた。縄をしっかり絞めておかないと知らない間に流されたりするから気をつけておけ。と、そのときはそんな失敗をしたのだと思った…後で、父が勝手に縄を外して、一人旅を唐突にさせたと知ったわけだが、当時は自分の失敗だと思った。
だがある程度自力で生活もできると思っていたので、不安を抱えながらも自力で生きる決意を固めて、次のコミュニティを水の上にて。だが、捨てる神あれば拾う神あったということか。最も。どっちの神様も碌なものじゃなかったが]

あっ。やばっ

[コミュニティが見つけてほっとしたのもつかの間。唐突の水の流れに動転した。
まさに身をもって知ったということか。操縦の聞かなくなった筏は当然の如くか、コミュニティの一つの筏に追突した。
幸いか軽いつくりだったため、大事には至らなかったが、衝撃に目を回しているときにぶつかった筏の乗り主だろう。十代半ばと思われし女性が怒りに満ちた顔でやってきたのだ]

(249) 2009/07/12(Sun) 15:06:38

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