[それからあっちいったりこっちいったり。なんだか妹が哀れな兄妹の振りをして人から品を無心するとかいう事件もありながら、六年。俺は十六歳。妹は九歳の頃父とあった。
最初は妹も不審がっていたが、徐々に馴染んだようでほっとした
そんな中父が。そろそろ妹の筏を作ってやろうといいだす。確かに、妹の年齢の時には自分はもっていたし、自分の筏だけではいい加減手狭だ。
と、父と妹と三人で妹の筏を作って…その二日目の夜]
…父さん?何してるの?
「んむ。何といえば…こうだな」
って、何あいつの筏の縄外してんだよっ
「いや、お前のときもしただろう」
あれはあんただったんかいっ
「父さんも辛いんだ。しかしこうしてわが子が逞しく生きてくれれば」
いや、顔が笑ってるから
[自分がいつのまにか流されていたのはこうして知ったのである。しかし流れたものは仕方ないし、なんとかなるだろう。と思いつつ、父がそろそろ筏を増築しろということで、少しだけ大きくした後。父は去っていった。]