俺、あの旅人に本を貰ったんだ。 人狼についての伝承を綴ったものがあって、[サリ、サリ、と手元から音はなる。開けた窓から外の風が入りこむのは、少し、さむいけれど換気の為に閉める事は出来ない] …、 ――いや、やめる。 何でもない。 [そこまで言ってから、手をとめて顔を向けて少し動きを止め。ふると頭を横に振り、からすの色の髪を揺らした]