子供を疑わなくてよくなったのは、僥幸かもね。でも、ユリアンやミリエッタを占おうとは思わなかったんだ。[女将が、二人のもとに食事を運んで来る]イレーネがその人を信じられても、他の人はどう思うかなんてわからないのに。それとも――もしもの事を考えると、怖かった?[弟の問いかけに、姉が諫めるような視線を向けるのが解る。占い師と名乗り出た少女の、精神的な疲労を考えての事か]あぁ、悪いね、食事の邪魔はしないよ。[手伝うように言われ、会話を続ける事は出来なかった]