─ 森のどこか ─
[口元に指を当てる仕種に、黒猫妖精、こくこく、と頷いた]
……まあ、何にも残ってないよりは、マシだわな。
[そこは間違いない、と思うので返すのは同意の頷き。
気まぐれに漂うあの世界が、次にいつこちらに接するかなどはわからないのだから、とそんな事を思いつつ]
ま、後ろ盾ナシの冒険者稼業は、向こうにいた頃からやってるし……割り切っちまえば、後はやるだけ、だけどな。
実績重ねてけばこの手の稼げる依頼も増えてくるから、安定すりゃ食い扶持にはこまんねぇし。
……っていうか、この手の討伐依頼って、結構いろんなとこから出されてんぜ?
[軽い口調で返しつつ。手伝いの申し出に、一つ瞬いて]
あー、んじゃ、ひっくり返すのだけ手ぇ貸してくれ。
[いつもなら、もう一つの力──精霊魔法を駆使してやる作業なのだが。
魔法の系列がだいぶ違うのもわかっているので、突っ込まれる要素の追加は避けておいた]