― 自室 ―[ノックの音に目を開ける。視線はドアの向こうを見るように]どちら?[問いかけに答える声。何かあったのかと、足はそちらに向かう。急ぐことは出来ない。いくら水中といっても、足を使うのだから。それからドアを開けて、彼女を中へと招いた。潮の香り、海の音の空間]足下に気をつけて。椅子なんていうものはないけれど。