よくないっす、なんでこんな所で戦う羽目になったと――!
[体勢を直しきる前に放たれる下からの一撃。地に突き立てた剣はその動きを阻害され、防御には間に合わない]
つっ――
[それでも右手の一撃は、盾でなんとか防いだ。
しかし、左手の一撃は――やや屈んだ姿勢であったためだろう、前髪の一房と帽子が宙を舞って]
フツーの獣人がいるっすか――世界は広いっすね。
[額から伝う紅い一筋を、左手で拭う。盾が邪魔をしたせいか、綺麗には拭き取れなかった]
まあでも、あたしみたいなヤツだって、その広い世界で生き抜かなくっちゃならないんで。
[流血に右眼を歪めながら、引き抜いた剣を上段へ構え直し]
そういう訳で――行くっすよ!
[そして地を蹴り、右肩から左下へと袈裟掛けに斬りかかる]