[投げやりなアーベルの声に苦笑を浮かべる]
[練習が大切なのは間違いない]
[頑張れ、とエルザに届くか届かないの低い声で囁いた]
まあ、ちょっとね。
俺が気にしなければいいんだろうけれど。
顔も見せなかったのは、ごめん。
[若干勢いの落ちたエルザには小さく首を振って]
[その声だけは昔と変わらない]
[喉を壊したわけではないのだから]
さて、用事も果たせたから俺はこれで。
……演奏、楽しみにしているから。
[歌をとは言わなかった]
[今は鍵盤専門となっているのも知っていたから]
[記者の方は意識して見ないようにしながら]
[広場の逆方向へと身体の向きを*変えた*]