[さびしかった、と春に言われれば一瞬驚いたように見開かれる眸。
彼の言葉から同じ気持ちだった事を知り綻ぶような笑みが浮かぶ]
忘れてないよ。
何だよ、久しぶりだからか? 妙に素直だな。
[同じクラスの一年の頃は休み時間になるたび他愛ない話をしていた。
けれど学年が離れてからはその機会も無くなり無沙汰だったのは事実。
部活や勉強で忙しかったを理由にするのは嫌だったから
それを口にはしなかった]
ボクも春に忘れられてやないかと不安だった。
――…そっちのクラスに遊びに行けばよかった、な。
[隣でうんうんと頷く響を認めれば佑一郎は柳眉を寄せた]
……響は置いてくに決まってるだろ。
お前と一緒だとやたら目立つから。
[そっけなく響に呟いて同意を求めるように春に笑い掛ける]