ええ、酔いたいわけでもこれで酔えるわけでもないのですが。
気付けにはなるかと思って。
[カウンターの中へと顔を上げて頷いた。
二杯目を頼んだ濃い褐色の蒸留酒もまたたくまに消えてゆく]
あの後何か。
ああ、イレーネが視たと。
ティルは信じて良いのですね。それは良かった。
[ぼんやりと返す言葉には実感らしきものがない。
給仕のためにかホールへと戻るアーベルの背を見ながら]
後はブリジットの聴いているものが囁きでないとなれば、か。
[ポツリと呟いたのは誰にまで届くものだったか。
どこか怯えたところのあるエルザに溜息をついた]
…お代わりください。