―大通り―……そうやって逃げられた上で。エルザにどう話せというんだ、馬鹿。[低く呟きながら首の後ろに手を伸ばし][乱暴に掻く]……ライヒアルト君、大変申し訳ないが。実は俺も少し行っておくべき場所がある。[嘘ではないが][この状況では逃げるとしか見えないだろうと思ったので][事実その通りに][振り返りながら一歩後ろへと下がり]君ならきっと大丈夫だ。よろしく頼む。[何が大丈夫なのか][詳細はさておき][それまでの動きよりも随分と機敏に人ごみに紛れ][逃げた]