さて……と。[静かな宣を冷えた大気に響かせた後。手にした銀は、再び外套の内ポケットへ入れて、周囲を見回す]外、には。いない、か。[集会場の周辺では、身を隠す場所も限られる。今の集会場で出来る準備で北側の森に入り込むのは、それこそ自殺行為だろう]なら、外うろうろしていても、仕方ない……な。[は、と白い息を吐き出して、集会場へと戻る様子は、常と変わらぬもの。相変わらず、自身には変貌の自覚などはないまま、広間へと戻って行った]