人狼物語 ─幻夢─

3 嘆きの島を臨んで


ごくつぶし ミッキー

―会議室―

[ 甘酒の杯を煽った。微かに腹の底に温かな力が生まれるような気がする。]

いるわけねえよ。……人狼なんているわけねえ。
俺は人狼と呼ばれるやつを見たことがないし、お袋だって見たことはないと言っていた。
きっとこれから先だって見ることはない。

……けど、もしもこの中に本当に人狼ってやつがいるんだったら。

[ハーヴェイの見分ける力があれば、という声を耳にする。悔しそうな声。今勇気を出さずしてどうするのだろう。唇を噛み締めた。母親の形見のペンダントを服の上から握り締める]






俺は、そいつが人狼だって、告発する。
……今までに見たことがないから、自信はないんだ。
ないんだが、俺にしか出来ないことだから。

(272) 2007/01/21(Sun) 22:52:15

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