[ 綺麗に澄んだ歌のような遠吠え。 今宵が満月であるならば、その聲/声は湖畔にも映る月神に捧げられる詩に聴こえたろう。 程なくヴィクトールは、鍵をかけられたフィグネリア>>192>>201の部屋前に辿りつく。 近づく足音はなく、無音での到来。] ………。[ ヴィクトールはフィグネリアの扉を見つめ、 そして徐にノックをした。 屋敷に初めて来た時のように。 初めて広間へ踏み入れた時のように。]