……さて。
ある意味では、ここからが本題なわけだが。
命に関わるっていうのは、この壁の中で起きるのが文字通りの生存競争……人と人との喰らいあいだから、だ。
人を喰らう、『憑魔』というもの。
そして、それを喰らって清める、『司』というもの。
一体、どういうモノなのかはわからんけど、そういう、特殊な力を持った連中が、この壁の中にいる。
龍先輩……この騒動に一緒に巻き込まれた、俺の仕事の先輩は、『司』としての力を持ってて。
『憑魔』は、自分の最も強い願い、それを叶えるために人を喰らって力をつけるんだと言っていた。
そして、『司』は、それを阻むために、森羅万象の力を借り受けて倒した後……喰らう事で、清めるんだと。
[ここで言葉は一度途切れ。
は、と小さなため息が零れる]
……ま、あんまり気分のいいモンじゃないらしいが。