その慣れてるところがすごいんだって。
あたしが代わりに採ってくるって言ったんだもの。
レイスさんが一緒にきちゃ意味がないよ。
[しかたがないというキリルにぱたぱたと手を振った。
目をあわそうとしないなら無理にあわせる事もなく]
ね、キリル。
ついでだし、森の中でなんか良い香りがする草がある場所、知らない?
[唐突に思いついたというように口にする。
きっとまだ村には戻りたくないだろうしとの思いもあった。
キリルを探しにイヴァンがきているかもしれないとの思いもあった。
もしもイヴァンが来て二人っきりのやり取りになるのなら、きっと村に戻る途中よりは森の中のほうが心をさらけ出せるんじゃないかと、そんな余計な気を回した結果だった]