[謁見の伝令を受け、館を出た直後、見知らぬ雪白の妖精にぶつかってしまったのは、己の考えに沈んでいたせいだろう>>255]おっと…すまぬ、大丈夫か?[よろける相手に手をさしのべようとするが、白い妖精は弱々し気に首を振り、後ずさる。だが、その手にうっすらと赤い色を見てとっては放ってはおけず]その手、怪我をしているのではないか?[やはり怯えているのか、気が進まぬ様子の相手の手を半ば無理矢理引き寄せて、天の力を送る。赤く浮き出る形が、只の傷ではないことはその時に判ったが、何も言うことは無かった]