力が無いなら無いなりに、別のやり方で見つける事も考えなよ、若者。俺は、自分に視えない部分は見る心算で、こうして話しているに過ぎない。喧嘩を吹っ掛けたい訳じゃないさ。 力が使えると名乗り出たからって、はいそうですかと信じられない捻くれ者なんでね。[それは、周囲の気配が幾らか少なくなって来た頃の事。ユリアンの態度に怯む素振りも見せず、微かな笑みすら浮かべて、アーベルは*言った*]