─繁華街─…お袋、千恵は黒江サンを見送りに行って、そのまま居なくなったんだよな?黒江サン、どこに行くとか言ってなかったか。[着いて行った可能性がある、と示唆しながら母親に訊ねる。左手に持った包丁。どうにも邪魔だが、刃物故にズボンのベルトに差し込む気にもなれず。それを見下ろしたままオレは眉根を寄せた。思いつくものが母親の口から得られたなら、そこに向って移動し始めるだろうか]