― 森の川辺 ―
[両の腕で囲い込んだ最中、次第に震えは収まっていく。
さらりと髪を梳き掬えば、はらりと真珠の光が舞った]
[大丈夫、と。動く頭と紡がれる声に。
光を追っていた水宝玉が、常より低い位置にある顔へと向かう。
縋る手を解く筈も無く、背を緩く叩く手もそのままに]
[そうして、静かに総てを聞き終えてから]
……別に、何か返して欲しいわけじゃないんだけどなあ。
[小さく苦笑を零して。
背から一度離れた手は、ぽふりと頭に]
俺は、ユーリの為にできることをしたい。
返るものは何も無くてもいい。