[作業を邪魔しない範囲で本を抱いたまま
きょろきょろと周りを見回す。]
ああ、──うん。兄の心配は勿論ありがたく思う、
思うがしかしでも、今回連れて行ってもらう場所は、
イレーネでもいける場所だと言う。
レナーテからもきちんと二人のいうことを聞いて、
従うようにと約束をしてきた。
だから。
…う、う、う。だめか?
エーリ兄に許可を貰うのも、二人との約束のなのだ。
[前置きの様に置かれる間に、ここで引くわけには行かないと、やや急いた口調で説明を加える。結論が出るまでの間、ぎゅむと本を抱く手に力を込めてじいいと上目遣いに兄を見上げ]