[地面に降り立った相手が、顔を顰めるのが見えた]
――何人たりとも、ここに立ち入らせる訳にはいかないのです。
[強い意志に縛られているかのように、相手の主張も聞かず立ち塞がろうとする]
――っ! 来るな!
[手を振り下ろす動きと共に、上空に浮かんでいた光球が槍と化し落ちる。
しかし絡み付く闇が女の動きを阻み、狙いは大きく逸れて、遠くの地面に落ち消えた]
く……
[動きを封じられた女は、しばらくはもがいていたものの、振り解くことが不可能と知れば諦めたように動きを止めた]
本当に、踏み込む気はないのね?
[そのまま相手の動きを視線のみで追う]