[考えの間の後、──行っても良い。と、許可の一言。]
───ほんとうかね!
[ぱっと瞳の翠が、光差したように明るくなる。]
指示には勿論従う。そこの判断においては
レナーテとイレーナを全面的に信頼する。
危ない──ことは、…。
うん。危険そのものを、望むことはしない。
[──が、最後の念押しに、少々持って回った答えが返った。]
… い、いや。本当に。
危うさそれ自体に引かれる事はないとは断言するぞ?
[淀む言い回しへの兄の視線にぐるりと翠が部屋を見回すように逸れて、最終的にエーリッヒへ戻り、やや慌てて付け加える。]