[不意に胸倉が掴まれ引き寄せられる。こちらを射抜く赤と薄茶の瞳。向けられた言葉に激昂するでもなく、空虚の笑みを浮かべた]───それの、何が悪い?何も出来ないから何もしない?何も出来ないから望むんじゃねぇか。もう手が届かないとしても渇望して何が悪い。[同僚の髪から右手が離れる。それはそのまま自分を掴み上げる同僚の腕へと伸び、振り払うように動いた]これから先その無駄な時間ばかりになるんだ。俺がどうしようが俺の勝手だろ。てめぇの道理に合わせる必要はこれっぽっちも無ぇ。