……ふーん。[ なるほど、ねえ。 小さな呟き。 宛てもなく向いていた足は、一つの方向へと定まった。 山を下っていく途中、振動する携帯に気付く。 宝条 環と示された名に、珍しさを感じながら通話ボタンを押し ――て、聞こえた声に反射的に一度切ったのは、置いといて。 かけ直しのせいで、電話代がこっち持ちになりました。 自業自得。]