[烏の行水とは良く言ったもので、然程時間をかけることなく個室から出て来た。
見る者が居ればそれなりの体型をした七重がタオルを巻いた姿で更衣室に向かう姿が見れるだろう]
えーっと、アタシのはこれで良いか。
[キャリーケースから取り出したのは足首近くまである長い水色のフレアスカート。
上には白いワイシャツを着て、その上にパステルピンクのカーディガンを羽織った。
ちなみにこの衣装は以前裕樹に無理矢理着せたものと同じもので、家庭教師の衣装である。
オプションで度が入っていないフレームの細い眼鏡をかけた]
んーと、りょーたんのは……ズボンよりスカートのが調整しやすいかな。
…おお、携帯用ソーイングセット発見。
偉いぞアタシ。
[自分を褒めながら取り出したのはカシュクールラインのあるカットソーマキシ丈ワンピース。
サイズは勿論自分用なので涼に合わせるとかなり長い。
胸の部分も自分に合わせたものであるが、中にシャツを着てカーディガンを羽織ってしまえば気にならなくなるだろう。
涼が戻って来るまでに終わらせようと手早く裾上げを開始した]