[レイスに渡してもらった小さな髪飾りをそっと両手で包み込む] ……ありがとう。 あの、家に行くの、ちょっと遅くなる、って。 キリルに言って、もらえますか。[レイスを見つめてぎこちなく笑う。 よくわからないことばかりで、考えたくもない可能性だけが脳裏にちらつく。 レイスにぺこりと頭を下げて、早足で歩き出す――]